NHHさんとのやりとりについて

 

(ツイートの引用がたくさん出てきます。ツイートを確認しながらご覧になりたい方はスマホ画面右下のコンパスマークをタップしてTwitterではなくsafariでこの記事を読むことをお勧めします)

 

 

かなり長いので先に結論を言うと、

 

「ちゆ12歳さんの解説の一部におそらく誤りがあったのだがそれに気づかないまま解説に納得し、間違った謝り方をしてしまった。【堀元さんのLINEの文章を貼ったのは適切だったがツイキャスでした説明の解像度が低すぎて分かり合えなかった】というのが真実。ぼくがザル過ぎたせいで大混乱させてすみません」

 

という内容です。

 

 

また、この記事を書いたのはぼくの正しさをアピールしたいからとかではなく、真実を明らかにしたいからです。

 

この件に限らずぼくがいつもしつこく食い下がっているのは自分の考えが真実であると思っているからであり、自分の考えが真実でないと分かったらすぐに考えを変えます。大事なのは「自分が正しいこと」ではなく「真実を明らかにすること」なので、「自分が間違ってました」と言うことに抵抗はありません。

今ここでちゃぶ台をひっくり返すのは「やっぱりぼくが間違っているなんて嫌だから」ではなく、「モヤモヤしていたので考え続けていたら真実だと思うことが変わり、それを発表したいから」です。

 

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流れをおさらい

 

まず流れをおさらいするとこうなります。

 

NHHさん「レン話は覚悟がないからヌルヌル話法を指摘されて『これはこういう意味だったんだ』と後出しで言い訳している」

レン話「全ての考えを予め説明することは不可能。特にツイートの場合誤解が生じるのは当たり前で早々に決めつける読み手側に問題がある」

NHHさん「誤解なく伝えたいことがあるなら解釈の余地のないよう言葉を選ぶのが書き手の責任。特にレン話はヌルヌルしているので書き手として不誠実」

レン話「堀元さんのLINEが参考になる」

NHHさん「どう参考になるのか」

キャスレン話「細かくは違うが大きく言えば発し手ではなく受け手側に責任があると書いてあるので今の話の参考になる」

NHHさん「俺がしていた書き手と読み手の話と堀元さんがしていた絶対という言葉の無謬性の話は全く違うので参考にならない」

キャスレン話「細かくは違うとぼくも認めてる。終わる」

ちゆ12歳さん「堀元さんのLINEの趣旨は【『暗黙の了解』を共有する読者に正確に分かりやすく伝わる文章を書くのに、書き手は苦心している。そこに『暗黙の了解』を理解せず文脈無視のリプをするのは野暮】ということ。(堀元さんの)あらゆる但し書きを書くのは現実的ではないという話が、(レン話の言った)だから誤解されるツイートしか書けないのは当然という意味で書かれているとは思いません」

レン話「なるほど、堀元さんは暗黙の了解がある話に関してだけでなく一般的な話においても誤解するのは読み手の責任だと言っていると思い込んでいた、ぼくが間違っていた」

 

 

 

 

 

やはり誤解されるツイートしか書けない

 

まず、僭越ながらちゆ12歳さんの解説の誤りだと思うところを説明します。

 

ちゆ12歳さんの考えをもう少し簡潔に書くと

 

「堀元さんはあくまで暗黙の了解のある話に暗黙の了解を理解せずリプライをするのは野暮だという話をしているだけであり、誤解されるツイートしか書けないのは当然とは書いていない」

 

となると思うのですが、ぼくは、

 

堀元さんは「誤解されるツイートしか書けない」と書いているに等しい

 

と思います。

 

確かに12枚目では「暗黙の了解のある話に暗黙の了解を理解せずリプライをするのは野暮」という話をしているのですが、それはあくまで「誤解されるツイートしか書けない」という話の一例に過ぎないと思います。

 

 

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何故なら人は発信をする時、LINEに出てきた戦闘機の例で言うと、安全性100で速さ0の戦闘機を作るわけにはいかないからです。

そんな戦闘機はバランスが悪すぎて通常良いとはされないですから、良い戦闘機を作るためには速さ(伝わりやすさ)の値を上げる代わりに安全性(正確さ)の値をいくらか下げる必要が出てきます。

 

となれば、誤解はどうしても生じます。

 

ちゆ12歳さんは「必要な正確性を保ちながら簡潔に書く」例として「語りたくてもノイズになる情報は削る」「ときには専門用語で正確に説明するよりおおまかでも簡単な言葉を使う」などを挙げていますが、これらのことをやれば“暗黙の了解”を理解している人からも誤解されるのは避けられません。

 

つまり、安全性100で速さ0のバランスの悪い戦闘機を作る人でない限り、「誤解されるツイートしか書けないのは当然」なのです。

 

 

(このツイートで挙げられている例は「暗黙の了解」の部類に入るでしょうが、暗黙の了解のある話に限らず堀元さんはきっと「言葉不足で誤解されるのを恐れるな」と考えていると思います)

 

 

この考えは実はぼくも堀元さんから例のLINEをもらった時(20199月)より前から持っており、このツリー(20197月)でほぼ同様のことを説明しています。

 

 

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つまり、堀元さんの文章があまりに素晴らしかったのでツイートで紹介したのですが、ぼくは実はもともと妥協の芸術を理解している人間だったのです。そのことは堀元さんの例のLINEの後のぼくの返信でも語られています。

 

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(蛇足ですがこの「DaiGoさんの場合は妥協の芸術が当てはまらない」というぼくの考えは、続いての堀元さんの「物理の教科書だって妥協の芸術でできているんだからDaiGoさんの言った『科学的な絶対』も妥協の芸術でいいんだよ」の一言で覆されました)

 

 

したがって、暗黙の了解を理解せずに「~という例外もありますよ!」などというツッコミをするのがクソリプであることは間違い無いのですが、暗黙の了解を理解している読み手が例えばノイズとして削られた言葉だけを読んで「こう思っているなんてあなた最低ですね!」と言うことなどもクソリプと言えると思います。

 

 

 

 

 

最低限必要な前提条件を省略していた

 

……そういう強い信念があったので、ぼくはNHHさんにこのリプライをしたのです。

 

 

が、今思えばこのリプライは不適切でした。何故ならNHHさんはその直前でこの通り、あくまでぼくの「ヌルヌル話法」について批判していたからです。

 

 

NHHさんのおっしゃる通り、ヌルヌル話法(具体的には以下の2ツイートでNHHさんは【自分の中でも定義できていない言葉を使ったり後から前提条件を付け足したりすること】を指しています)をしている書き手は批判されるべきでしょう。

それは装甲が薄いとかいうことではなく、装甲がスライムでできているとか装甲に穴が空いているとかそういうレベルの話だからです。

 

 

 

 

ただぼくは、これまで散々指摘されてきたのにまだ分からないのかと思われるでしょうが、やっぱり自分がヌルヌルしているとは思えないんですよね……

 

よほど特殊な使い方をしていない限り細かく定義づけをしなくても話は通じる(装甲はスライムにならない)し、最低限必要な前提条件を省略して(装甲に穴を開けて)後から付け足すこともあまりやっていないという認識を持っています。

 

なのでNHHさんから「ヌルヌル話法を指摘されて『これはこういう意味で言ったんですよ』と後出しで言い訳してるんだよね」と言われたとき、ぼくは

 

(またヌルヌル話法か……ぼくはそんなことしてないよ。ヌルヌル話法じゃなくてキレキレ話法(ヌルヌルしていない話を便宜的にそう呼ぶことにします)をしていて、それでも誤解される可能性はどうしても残るから、誤解されたときに『これはこういう意味で言ったんですよ』と言ってるだけだよ)

 

と思い、このリプライをしたのでした。

 

 

しかし適切にやりとりするならまず、心の中で思った「自分はヌルヌルはしておらずキレキレ話法をしているつもり。それでも誤解される可能性は残る」ということをきちんと伝えなければなりませんでした。

 

NHHさんからは「『解釈の余地が残る場合に』なんてどこにも書いてなかったよ。最低限必要な前提条件を後から付け足すなよ」と言われていましたが、この場で最低限必要だった前提条件は『自分はヌルヌルはしておらずキレキレ話法をしているつもり。それでも誤解される可能性はどうしても残る』の方であり、『解釈の余地が残る場合に』の方ではありません。既に説明したように基本的にどんな時も解釈の余地は残るのでこの言葉は不要です)

 

これを怠ったせいで、NHHさんに堀元さんのLINEの文章を見せた時に、

 

「そりゃ『絶対』という言葉を信じて誤解するやつはいるけどそれは暗黙の了解を理解していないバカの話だろ。キレキレ話法をしていたら誤解の可能性は無くすことができるからこのLINEの文章は俺の話と関係ないだろ」

 

と思わせてしまったのだと思います。

 

しかしぼくが最も伝えたかったのは暗黙の了解をしている12枚目の部分ではなく、「言論は妥協の芸術だからキレキレ話法をしていても誤解の可能性は残るよ」という3枚目の部分であり、だからこそツイキャスで「細かく(キレキレ話法と暗黙の了解)は違うけど大きく(誤解の可能性は残る)は同じだ」と何度も言っていたのでした。

 

 

そして、NHHさんは

 

3枚目の妥協の芸術(誤解の可能性が残る)」というのはあくまで暗黙の了解がある話に限るから今回の話とは関係ないだろ。レン話はヌルヌル話法を使ってるから誤解されるのであって、キレキレ話法をしていたら誤解の可能性を無くすことはできるだろ」

 

と考えていらしたので、ぼくは

 

「細かくは違うけど大きくは同じで、ざっくり言うとNHHさんは書き手側に責任があるという立場だがぼくは読み手側に責任があるという立場なので読み手側に責任があると書いてある堀元さんの文章が参考になる」

 

twitcasting.tv

 
(該当部分9:35〜)

 

とバカみたいに何度も繰り返すのではなく、もっと解像度を上げて具体的に、

 

3枚目の妥協の芸術(誤解の可能性が残る)というのは暗黙の了解がある話に限らず、キレキレ話法をしている時にも当てはまるからこのLINEは参考になる。ぼくが誤解されるのはぼくがヌルヌルしているからではなく、キレキレしていても少しでも速さのある戦闘機を作る以上誤解の可能性はどうしても生まれるからだ」

 

という説明をすれば良かったのでした。

 

 

 

 

 

読み手側の責任とは

 

また、「NHHさんは書き手側に責任があるという立場だがぼくは読み手側に責任があるという立場なので読み手側に責任があると書いてある堀元さんの文章が参考になる」という説明はマジで解像度が低いというかシンプルに言葉が足りなくて、それも分かり合えなかった原因の大きな1つになっていました。

 

おそらく多くの人に勘違いさせてしまっているのですが、「読み手側に責任がある」の「責任」とは、「誤解すること」ではありません。

「伝わりやすさ」の値を入れるために「正確性」をいくらか削るのですから、誤解する人が出るのは当然です。それは悩みながら必死に探り出した妥協点の結果なので発し手に「誤解させること」の責任はないと思いますが、受け手にも「誤解すること」の責任はないのです。

 

ではどういう時に受け手に責任が生じるかというと、「決めつけてクソリプを送った時」だと思います。

ノイズで削られた情報を勝手に自分の脳内で補足して「この人はこう思っているに違いない」と決めつけたり、複数ある単語の意味を「こっちの意味に違いない」と決めつけたりしてクソリプを送ることは非常に良くないことだと思います。

誤解することは避けられませんが、誤解したあと冷静になって他の意味の可能性を考えたり、発し手に穏やかに「これってこういうこと?」と質問したりすることは可能だからです。

 

なのでぼくは、誤解されただけでは怒りませんが、決めつけられたら怒ります。だからこそここでは「1つの解釈に“思い込まない”方がいい」と言っているし、

 

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今回も「早々に“決めつける”読み手側に問題があります」と言ったのです。

 

 

このスタンスは常に一貫しており、例えば誤解なさっていても決めつけずに都度質問してくださっているsakurakoさんのリプライには快く応えています。

 

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(このツイートは特にヌルヌルしていない筈です。それでも多くの人に読まれれば、「エゴでオススメしたらダメってことか! エゴでオススメしたっていいだろ!」と誤解したまま決めつけてクソリプをする人は出てくるでしょう)

 

しかしNHHさんは「解釈の余地(誤解)なく伝えたいことがあるなら」と、ぼくの考える「読み手の問題」を「決めつけること」ではなく「誤解すること」と勘違いしていらっしゃいました。

 

 

ぼくはそのことに気がつくべきでした。

ここで「いや、誤解することは全然いいんです。それは仕方ないですから。決めつけるのだけが問題だと思います」と言っていればそれでやりとりは丸く終わっていたかもしれません。

 

後出しだと思われるかもしれませんが、この「誤解することではなく決めつけるのが問題だ」というのはぼくの中で本当にかなり強い信念なのに、このリプライの時点でNHHさんの勘違いに気づけなかった上、ツイキャスで「NHHさんは書き手側に責任があるという立場だがぼくは読み手側に責任があるという立場」と言った時も「この責任というのは決めつけることを指しています」と言わなかったのはぼくの大きな落ち度でした。なぜこんなミスをしたのか分からないのですが、情けないです……

 

 

 

 

 

まとめ

 

というわけで、改めて振り返って流れをまとめるとこうなります(都合のいいように無意識に記憶を書き変えている可能性もありますが……)。

 

NHHさん「レン話は覚悟がないからヌルヌル話法を指摘されて『これはこういう意味だったんだ』と後出しで言い訳している」

レン話「(ヌルヌル話法してないよ。キレキレ話法をしているけどそれでも)全ての考えを予め説明することは不可能。特にツイートの場合誤解が生じるのは当たり前で早々に決めつける読み手側に問題がある」

NHHさん「(誤解するのは読み手の責任と言っていると勘違いし)誤解なく伝えたいことがあるなら解釈の余地のないよう言葉を選ぶのが書き手の責任。特にレン話はヌルヌルしているので書き手として不誠実」

レン話「(NHHさんの勘違いに気づかず)堀元さんのLINEが参考になる」

NHHさん「どう参考になるのか」

キャスレン話「細かくは違うが大きく言えば発し手ではなく受け手側に責任があると書いてあるので今の話の参考になる」

NHHさん「俺がしていた書き手と読み手の話と堀元さんがしていた絶対という言葉の無謬性の話は全く違うので参考にならない」
キャスレン話「(絶対という言葉の無謬性の話は妥協の芸術の話の一例に過ぎないのに何を言ってるんだ?)細かくは違うとぼくも認めてる。終わる」

ちゆ12歳さん「堀元さんのLINEの趣旨は【『暗黙の了解』を共有する読者に正確に分かりやすく伝わる文章を書くのに、書き手は苦心している。そこに『暗黙の了解』を理解せず文脈無視のリプをするのは野暮】ということ。(堀元さんの)あらゆる但し書きを書くのは現実的ではないという話が、(レン話の言った)だから誤解されるツイートしか書けないのは当然という意味で書かれているとは思いません」

レン話「(あまりに明晰な文章に思わず納得してしまい)なるほど、堀元さんは暗黙の了解がある話に関してだけでなく一般的な話においても誤解するのは読み手の責任だと言っていると思い込んでいた、ぼくが間違っていた」

一晩経ったレン話「(よく考えたら待てよ、じゃあ暗黙の了解とは関係のない話の時は本当に誤解される可能性をなくせるのか? 無理だろ。戦闘機の話をもう1度読み返そう……あ、やっぱりこれ『誤解されるツイートしか書けないのは当然』と書いてるに等しいよな。てかそのことはぼくは前からよく分かってただろ!ちゆ12歳さんの文章がすごすぎて思わず吹っ飛んじゃったよ! 今度はツイートを見直そう……。あ、ヌルヌルしてないと明確に言うべきだった。あれ、NHHさん勘違いしてるじゃん。ぼくはなんで誤解されるのはいいんですって言わなかったんだ? 大変だ、全部一から説明し直そう!」

 

 

……というわけで、ぼくがひたすらザル過ぎました……

 

最低限必要な前提条件を省略し、相手の勘違いに気づかず、キャスでの解像度も低く、ちゆ12歳さんの説明を疑えませんでした。

 

ぼくの未熟さによって大混乱を引き起こしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 

またそれにも関わらずNHHさんに対して偉そうな態度を取っていたこと、非常に失礼だったなと思います。重ねて申し訳ありませんでした。

 

これからはザルにならないよう、慎重に議論していきます。

 

このブログ記事を載せたツイートはNHHさんにDMでお送りします。

 

こんなに長い記事を最後までお読みくださりありがとうございました。