「わからない」と思うための対話 第3回 感想

 

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今回のテーマはこれ!

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エピソードで具体的に望みを語ってもらう。これが上手くできると、その望みは解決に自然と近づいていきやすいタイプの望みになります。

また、本人が勝手にその望みを知って自分で問題を解決してくれる可能性もあります。

 

初めて聞く話だ。

 

 

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2つのエピソードからどのような 意味を読み込むのかには、個人の主観がだいぶ入ります。

「実際に何月何日何時にどこどこでこんなことがありました」という下段の方がエピソード。

エピソードをまとめて「こうこうこういうことがいつも起きてますよ」というのが語られる上段の方をレポートと言います。

  

なるほど。

 

 

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左側の事実の部分は人によって大きく変わらない。でも右側の、「どういう意味をそこに付けるか」というのはその人個人の主観的な解釈というのがたくさん乗ってくるんです。

 

言われてみれば確かにそうだ。

本当は親切にされていただけなのに「酷いことをされた!」と憤慨しているような人はよく見る。

 

 

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話を聞く時にいきなりレポートだけ聞いてると主観的な解釈がたくさん混じってくるので何が起きているのかよく分からないんですよね。

まず実際にあったエピソードをしっかり聞いて、事実として何があったのかということを追っていくと、そこは解釈の余地が少なくて割と同じ形で共有しやすいわけです。

ただし話してる側と聴く側とでこの事実に対する解釈の仕方、意味の当て方っていうのは多分だいぶ違うんです。それが「違っている」っていうことを認識しながら話を進めていきます。

 

確かに事実に対する解釈の仕方は人によって全く違う。

聞き手側が「これは嬉しい話なんだな」と思っても、話し手側は悲しいエピソードとして話しているかもしれない。自分がした解釈が相手と同じだと思い込むのは危険だ。

 

 

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人間は「実際に具体的にこんなことが起きてますよね」ってイメージできる方向に動いていきやすいんです。

レポートってすごく曖昧で漠然としたものなんだよね。実際のイメージが持ちにくい。

例えばダンスをやっている時に「目の前でこんな風に踊るんだよ」って踊って見せてくれる人がいると、その真似をすればいいじゃないですか。そうすればすごく踊りやすい。

レポートの形だとぼんやりしているからよく分からなかったりするので、頭の中に「どういう風に動けばいいのか」とか「どういうふうになるのが理想な状態なのか」っていうイメージを持って、それを実際に実現すればいいわけです。

 

これはなるほどと思った。

アドバイスする側の時、「こういう風に考えたらきっといい感じになりますよ」と言っても相手があまり納得していないことがある。

今思えば、悩みが解決した時の状態を具体的にイメージできていなかったせいでしっくり来ていなかったのかもしれない。ビジョンが具体的に見えていなければ希望が持てないし、第一歩目をどう踏み出していいか分からない。

 

 

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じゃあどうやってなるべくエピソードレベルで具体的な形でイメージが見えるようにして望みを語ってもらうかっていうと、悩みが深い時ほど大体左下の「悩みレポート」からスタートします。悩みで困っているんだけど、具体的な事例よりかは「いつもこうなんだ」とか「いつもああなんだ」とかいう話に持って行きます。

 

さっきの久保さんの話に当てはめると、「ぼくはいつもみんなに分かってもらえない」っていう悩みは左下だよね。で、その状態で問題解決するというのはすごく難しい。

そこで、「具体的にじゃあ最近どんな困ったことがあったんですか?」って言うことで「セクハラメンタルと言われた」とかいうエピソードが出てきた。

で、少なくとも「いつもぼくは誤解されるんです」という話よりは「セクハラメンタルってすって言われたんです」っていう話の方が聞く側も共有しやすいよね。「いつも誤解されるんです」っていうのが何をイメージしているのか分からないから。

 

で、最終的にはこの右上の「望みエピソード」の具体的なレベルで語ってもらえるとすごく分かりやすくていいんだけど、いきなり左下から右上に行けないんです。

だから「右下→右上」の下回りで行くか、「左上→右上」の上回りで行くか2種類ルートがあるんです。

これ、どっちで行く方が 右上に来やすいかって言うと、今までの僕の経験上で言うと「下回り」なんだ。

悩みの時点でエピソードを聞いてしまって、それから「じゃあその実際にあった出来事が本当だったらどういうふうに行ったらいいと思うの?」って聞くと、割と具体的な形で望みが語られる。それはその人を動かす材料やエネルギーになりやすい。

 

なので今日は、この「右下→右上」っていう流れで動いていく練習をしようと思っています。

 

聞いたこともない単語や話でなかなかスッと頭に入っていかないけど、すごく大事な話だと思う。

今までの相談では「悩みをなんとなく解決していく」という漠然としたことしか考えていなかったからどこに向かっているか分からず不安だったけど、こうして図を明確に頭に思い浮かべることができれば、地図を持っているような安心感が持てる。この図はめちゃくちゃありがたい。

 

 

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悩みが深い人ほどレポートで語ります。

じゃあどういう風に聞いていけばいいかというと、こういう風に聞くと良いと思います。

 

上手に加減を考えて聞かないと責められているように感じてしまうかもしれないなと思った。

 

 

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中には、悩みが将来に向けての不安っていうケースがあるんですよ。今何かが起きているわけじゃないけどこの先何かまずい事が起こるんじゃないかって不安になっちゃう。

このケースの時ってエピソードがなくて、エピソードがないから実は解決もしにくいんですよ。

それでもなるべく望みを具体的なエピソードレベルで語って欲しいので、よく聞くのは、

「じゃあもしあなたが映画監督になってその理想通りのウハウハな状態っていうワンシーンを映画で撮るとしたら、それはどういうシーンになるのですか?」

というものです。

そうすると、「単に幸せになりたいんです。幸せになりたいのになれないんです」って言っていた人が、「1ヶ月間ハワイで楽しそうに過ごしています」みたいな、そういう具体的な望みエピソードが語られたりします。

この映像として語ってもらうっていうのは困った時に結構使えます

 

言葉だけじゃなくて映像でイメージすると、具体的に考えられるし希望が持てるしいいなと思った。

 

 

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こういうワークをやってみましょう。

 

 

ワークをやってみての感想

 

 

・エピソードレベルに落とし込むのは難しい

 

資料を見た時は簡単そうに思ったが、実際にやってみるとどれだけ難しいかがよく分かった。聞き手側も質問に苦戦していたし、話し手側もついレポートを話してしまったり別のエピソードを話してしまったりしてしまっていた。

 

ぼく達がいかに普段レポートで会話しているかということなんだと思う。おそらくほとんどの人は一点にスポットライトを当てる経験に慣れていない。

 

 

・エピソードを思い出すのは難しい

 

話し手側がちゃんと一点にスポットライトを当てることができても、記憶力の問題が生じてしまう。

ぼくは前日の記憶なのに上手く整理して話せなかったし、細かいところや重大なところが抜け落ちてしまっていた。

人の記憶はこれだけあやふやなんだから、都合良く(もしくは都合悪く)改変しているケースはめちゃくちゃあるだろうなと思った。

つまり、悩みレポートだけではなく悩みエピソードも全然信用ならないということだ。相手が話した悩みエピソードにはバイアスがかかっているかもしれないと疑いつつ、表面的には信じているように振る舞わなければいけない。

 

思えばこれまでも、「相手が言っていることが全然違うと思っていても嘘で『そうだね』と言う」みたいな教えが結構あった。上手な聞き手になるというのは上手な嘘つきになるということなのかもしれない。

 

しかし、基本的には「嘘つきですよ」ということをバラしてはいけないだろう。

となれば、ぼくは今このブログを書いていて大丈夫なのだろうかと不安になる。

手の内を晒しまくっているせいで、「レンタル話し相手さんすごい共感してくれてるけど、これってワークでそう言われてるからやってるだけで本当は全然共感してないのかもしれないのよね」なんて思われるかもしれない。いつか全部削除するかもしれない。

 

 

・思い出せないところこそ重要

 

思い出せないところはすごく重要なんですよ。

ずっと語っている中でそこの記憶だけがスポンと抜けているっていうのは、何かその人にとってすごく受け入れがたいものだったり飲み込みがたいことだったり、何か難しい重要なものが隠れているポイントであるということがあります。

だから話を聞く側としては、「ここは記憶が抜け落ちるんだ」とか「この辺になると急に話が曖昧なるんだね」っていうのを把握しながら話を聞くことになります。

 

重要な思い出ならちゃんと記憶に残っていると思っていたので、忘れているところこそ重要かもしれないという話は意外だった。

確かにぼくも入院や浪人などかなり辛かった時の記憶はほとんどないし、本当に嫌な記憶は意図的に忘れていくのかもしれない。

 

そういう部分を見つけると聞き手側は「ここが重要なのかも!」と思ってつい粘り強く聞きたくなってしまうが、どれぐらいしつこく聞くかという加減は極めて難しいと思う。

ワークだったからぼくは北村さんに何度も質問したけど、ワークを知らない普通の人にあんなことをやったら、「だから具体的な記憶なんて忘れてるわよ!『いつもこうだった』でいいじゃない!しつこいわね!!」とキレられているに違いない。

 

ここでも「解決病」を発症しない我慢が求められる。「解決するのは基本的に自分ではなく相手である」と心から思えていないと難しいだろうなと思った。