「わからない」と思うための対話 第5回 感想
動画はこちらから!
今回のテーマはこれ!
ピタッと相手が望んでいることをこっちが言葉に出してあげると、「そうですそうです!」ってすごく嬉しそうに強い肯定的な反応があるじゃないですか。
ニッコリすることもあるしすごい力強く頷く時もあるし反応は色々なんだけど、「それはポジティブだよ」って分かるような反応が返ってくると、「ああこれはだいぶ相手が心の中で思っている望みと近いものなのかもな」って思うわけです。
逆に「はい」って言いながらも、「うーん、なんか違う」みたいな微妙な反応をしている時には、「ひょっとしたらこれはズレている望みなのかもしれないな」っていうことを考えときましょうねということです。
このワークショップを受けてから、この「ポジティブな反応を返してもらうこと」に対しての意識がめちゃくちゃ強くなったと思う(前回のワークショップでケンタさんの「コレジャナイ顔」に気がつかなかった姿を見せたばかりだけど笑)。
第1回の最初の
1.相手の話を正確に理解する
2.自分が相手の話を正しく理解できたことを相手に伝える
どちらが欠けても「共有」はされない
この教えが本当に衝撃的で、「理解できたことを相手に伝えよう。そして『そうです!』ってポジティブに言ってもらおう」と強く思った。
それから依頼者の方や母と話す時にいつもそれを意識していたら、「そうです!」とポジティブに言ってもらえる回数が増えてきた。これはすごく分かりやすい「コミュニケーションがうまく行っている証」だ。
「そうです!」って言ってもらうたびに快感を感じるようになった。これからもどんどん「そうです!」ポイント(?)を集めていきたいと思っている。
ぼくらは望みがあったら望みに向かって近づいていきたいわけですよ。
ただし多くの悩み相談という形の時には、この望みに横たわる形で何らかの問題や悩みというのが生じるわけです。
で、この悩みと望みというのは裏表の関係にあるわけだよね。望み通りにいけないからそれが問題や悩みなんだと。
ここまで分かったら、じゃあ問題や悩みがもう1回どうなったらいいのということを気にするわけです。そうすると何かしら別の望みになったりします。
ちょっとやってみましょうか。
〜デモンストレーション〜
めんたね「何か悩みある?」
ケンタ「三食食べられないのが悩みです」(大元の悩み)
め「じゃあそれがどうなったらいいと思う?」
ケ「三食食べられたらいいと思います」(望み1)
め「なるほど。じゃあそれ、実際にそうしたらいいと思うんだよね。でもそうするにあたってうまくいかないところとか引っかかるところがあるからやれてないんだよね。それってどこなの?何が引っかかってるの?」
ケ「寝坊してしまうんです」(問題1)
め「じゃあそれはできたらどうなったらいいと思う?」
ケ「早起きできたらいいと思います」(望み2)
め「早起きしたいというのが次の望みなんだね。それが望みなら実行したらいいと思うんだけど、実行するにあたってなにか引っかかるところってある?」
ケ「やっぱり寝ていたいんですよね」(問題2)
め「じゃあその問題についてはどうなったらいいと思う?」
ケ「早起きはしてスキマ時間で寝ていたいですかね」(望み3)
め「じゃあそうしたらいいと思うんだけど、それを実行するにあたって何か問題点とか困った点ってある?」
ケ「問題はないですかね。タイマーをセットすれば起きれるので」(問題なし)
め「じゃあタイマーをセットして望み3が実現すると問題2が解決して望み2が実現して、望み2が実現するから問題1が解決して望み1が実現するという話になるよね」
〜デモンストレーション終了〜
今みたいにして解けてしまえばそれはそれでいいんですよ。
だけど大体はこんな風に解けない 。
この2つの質問を繰り返していると話がぐるぐる回って、話が前に進まなくなるというタイミングが来るんですよ。
そこをぼくは「悩みのへそ」なんて言ってますけど、その人が引っかかっている根っこの部分の悩みなんだということですね。
なるほど!
悩みと望みは基本的に1つずつしかないと思っていたけど、確かにこうやって階層化(イメージだけで使ってるから言葉の意味全然違うかもしれない)できるじゃないか!
こうやって段々にしていけば、今回のようにどこかで「この望みに関しては問題がない」と言われる時が来ることがある。そこから逆算的に全ての問題を解決させ望みを叶えていくという手法は鮮やかだなと思った。
ぼくは普段、「何が問題ですか?」とはひたすら聞くけど、「それがどうなったらいいと思いますか?」と聞くことは少ない。第2回の感想記事で書いている通り、相手の望みをそれほど重要視していなかったからだ。
依頼の時も、最初に悩み1と望み1を聞いたりそのあと問題2や問題3を聞いたりすることはあっても、望み2や望み3を聞くことは少なかった。これからは望み2や望み3も聞くようにしていきたいと思う。
1番目はこれまでのワークでやってきたやつだね。現在地点からどこに向かって歩いて行けばいいのかがわからないというタイプの悩み方。
2番目は、望み自体ははっきりしてるの。さっきの「早起きしたい 」みたいなね。
ただし、休日に早起きしたいという望みはあるけれど同時に他にも別の望みがあって、こっちの望みに行くかあっちの望みに行くかで迷っちゃうんだよね。
で、両方いっぺんに手に入るものならいいんだけど、さっきみたいに「休日に早起きしたい」という望みと「休日にゆっくり寝ていたい」という望みは両立しないよね。
そうするとこれは、「両立不能な複数の望み」を持っていることになる。
そういう時ぼくらの心は、「どっちに行こう?」と迷うことでエネルギーを使い果たしてしまって結局どっちに向かっても動けないということが起こる。
こう言う風に2つの望みで迷うことを葛藤と言ったりしますね。このパターンは結構多いです。
じゃあ3番目。今度は望みははっきりしているし葛藤もない。
ちなみに葛藤があるかないかっていうのは、望みがはっきりした時に「じゃあその望みが実現したとして何の問題もないですか?」って聞いた時に、「あ、困っちゃう」って思うことがある時はだいたい葛藤なんですよ。
だってこっちの望みが叶っちゃうとこっちの望みが叶わなくなっちゃうから。でも両方欲しいからね。
それに対して「何も問題ないです。ウハウハです」と言うにも関わらず、「じゃあなんでその望みを実現しないのですか?」と聞くと、大体は「どうやったらその望みが実現できるのか分かりません」という答えが返ってくる。これがルート不明のパターンです。やり方が分からない、道が見えないということだね。
アドバイスが通じるのは基本的にこのルート不明パターンだけです。
4番目。望みははっきりしてます、葛藤もありません、ルートも何をやれば望みに行けるのか分かっています、でも不安なんですいうパターンだね。
不安な人っていうのは、自分で実際にやれるものがあってもやれる気がしない。だから「不安」と「ルート不明」というのはかなりセットで近いんです。不安が強すぎるとルートが無いように見えてくる。
特に試験勉強とかそうだね。試験勉強っていうのはやったら確実に合格するという保証がないんです。でも合格するためには試験勉強しなければいけないというルートが見えてるんですよ。だから歩くしかないんです。ただ歩いても成功しないかもしれないというだけなの。
でも不安が強いタイプの人はそういうの耐えられないんだよね 。
悩みのパターン分けなんて考えたことなかった!なるほど、この4つに分類できるのか……!
これは面白い。これから悩みを聞くたびに「どのパターンかな?」と考えてどれかに当てはめることでぼくも相手も敵(悩み)の正体が分かってスッキリすると思う。
ぼくは「③ルート不明」の悩みを望みに近づけるのが得意だと思う。
「ルートが分からないんです」と言う依頼者に対して、多くの場合「こんなルートやあんなルートがありますよ」と伝えることができる。
「①悩みが曖昧」はあんまり気にしたことがない。上述のようにルートを教えればとりあえず悩みから離れられて幸せになれるからだ。結果的に「望ましい状態」になればいい。
……ただそれはこれまでの考え方であって、今は第2回の感想記事で書いたようにこう思っている。
だが、「まずは」相手の望みをしっかり聞くことが必要なんだと思う。
何故なら、そうすることでよりはっきりと「味方ポジション」に立つことができて相手に安心してもらえるからだ。
相手の望みに沿わないアドバイスをするとしても、それはまず相手の望みを聞き、それを叶えようと一緒に悩んで(少なくとも悩むフリをして)からでないといけない。
これからはちゃんと望みをハッキリさせてからルートを見出すようにしたいと思う。それも、これまでは自分で見つけたルートを教えていたけど、そうではなくなるべく相手にルートを見つけさせるようにしないといけない。
②の両立不可能な望みや葛藤は本当に難しい。
動画をツイートに貼った、「結婚したいが、『自分たちが信じている宗教に彼氏にも入ってもらわないと結婚を認めない』と両親に言われている」という悩み相談(ドッキリだったが)はまさにこれだった。
親との縁は切りたくない、彼氏に宗教に入ってもらうことはできそうにない、宗教の中から彼氏を見つけることもしたくない……と八方塞がりでどうしようもなかった。
こういう場合は「弱い望みを捨ててより強い望みを選ぶ」か、「超頑張る(神がかり的な方法で親を説得する、婚活しまくって宗教に入ってくれそうな稀有な男性を見つけるなど)」かのどちらかしかないと思うんだけど、どちらも負担が大きすぎるので④のパターンに入ってしまう。
(めんたねさんは②が③になることがあるとおっしゃってたけど、ぼくは④にもなるような気がするな……。高性能で安いパソコンはめちゃくちゃ頑張って探せばどこかにはあるかもしれなくて、「頑張って探してもそんなパソコンを見つけられないかもしれない」という「不安」になるんじゃないのかな……違うかな……)
④の不安がぼくの体感では1番多い。先ほど言ったようにぼくは多くの場合ルートを教えられるし②を④まで持っていくこともできる場合があるけど、④はマジで解決できない。ほとんどの人は不安を持ったまま頑張り続けることができないからだ。
どれだけ不安でも頑張るしか選択肢はないとぼくは思うのだけど……。
またまた『カイジ』を持ち出してきて申し訳ないのだけど、そしてカイジにこだわっているわけではなく引用したいと思う描写がたまたまカイジにあるから引用しているだけなのだけど、『賭博破戒録カイジ』にこういうシーンがある。
ぼくは『カイジ』シリーズの中でこのシーンが1番好きで、依頼者にも毎回「望みに進むのが気持ちのいい人生ってもんだろっ……!!」と言っているんだけど、その時は「そうですよね」と言ってくれても、時が経ったら「やっぱ望みに進むのキツいよ……」と思って望みに向かって進むのをやめてしまう人がほとんどのような気がしている。カイジと違って失敗しても地の底に沈むわけでもないのに……。
学校の先生と生徒みたいに長期的に毎日のように会う関係であれば何百回も言えるし行動をサポートすることもできるんだけど、数時間の相談で不安を持っている人に行動力を持ってもらうのはほぼ不可能だと思う。そこにいつも無力感を感じている。
あとは見た通り!
ワークは初めて2ステップあるパターンだったからスマホで資料を見ながらじゃないとできなかったけど、割とスムーズにできたような気がする。
いや、分かっている。ぼくだって「できた」なんて言いたくない。「わからなかった」と言って褒められたい。
でもできてしまったのだからこう言うより仕方がない……。できてない部分があったら教えてほしい。
なので今回のワークでは、動画内で言った、「最初に悩みエピソードを聞くのを忘れていた」「悩みだと思っていたものがケンタさんに質問されるうちに悩みじゃないと分かって楽になった」以外の感想が浮かばない……。
まぁこういうこともある!終わり!